Negative Finder

気づいたり、再確認したり、思いついたこと書くスペース。日記兼用。

「変わる」ということ

 去年の後半からメンバー入れ替えが激しい。元々4人いたメンバーのうち残ってるのはおれだけだ。今も全部で4人だけど、残りは新しく来た人だったり別チームから移って来た人だ。


 人間関係的には今の方が昔よりずっとフラットで、つまり互いが互いに敷居が低く、お願いごとも質問も相談も楽になった。今はまだ仕事を覚えてもらってる段階なので、おれ自身の負荷は高めだけど、後々平均化していけそうで、心理的にはだいぶ楽。



 強いリーダー

 昔のチームでメンバーを引っ張っていた人は強い人だった。コミュニケーションの巧さ、発言力、チームのまとめ方、周囲との協調性、どれを取ってもリーダーシップに溢れていて、隙がなかった。


 おれはリーダーの相談役として、業務効率を上げるためにExcelやAccessのツールを作り改修していた。そうやって"枠"を作る作業をしてると、ちょくちょく「本当にここはこれでいいのかな」と、些細な気付き・疑問などが湧く。こっちからリーダーに相談すると、理路整然とした明晰な回答があり、「どうすればいいのか」という清々しい判断も漏れなく付いて来た。


 このリーダーがチームを引っ張っている時代、他のメンバーに同じような相談を持ち掛けると、「一度リーダーに聞いてみないと」と判断は保留された。このチームは、確実にリーダーを中心に回っていた。


 強力なリーダーシップはメンバーから判断力を奪う

 半年くらい前にリーダーがチームから抜けた。強い軸を失ったチームは、今までのルール通り業務こそこなすものの、イレギュラーな事態に直面したその時々に、必要な判断を下す力、それを共有しルールを統一化する力がとても弱かった。強いリーダーは弱い人を引っ張る力は強くても、たとえ「状況」をどうにかする力は強くても、「弱さ」そのものを強くする力は持っていなかった。


 強さが覆い隠してしまう弱さは、それが露呈しない限りはずっと弱いままだ。


 弱さと強さの境目が消える

 メンバーの急激な入れ替えが発生して、ここ最近うちのチームはあまり落ち着いていない。まだ配属されて半年くらいの人に「背中を預ける」しかない状況が続いている。イレギュラー対応はおれが引き受け、判断する。複雑な作業ではあってもルーチン化出来ることはどんどん任せ、わからないことがあれば逐一みんなで共有し、ミスや抜け漏れがあれば新人にも素直に謝る。じゃないと仕事にならない。とりあえずやれることはやる。おれは頭の回転遅いし、覚えたことしか出来ないし、人とコミュニケーション取るのが本当に苦手だ。だから、今の状況ってのはむしろ「すごく助かる」。わからなければバンバン質問されるし、おれが質問に答えられなきゃ質問した人も、おれ自身も、場合によっては第三者の誰かの動きも止まっちまう。だから何がなんでも答えなきゃならない。答えるためには知らなきゃ始まらない。知ってしまえば覚えなきゃいけないし、質問と回答を何度も繰り返して、気が付くとメンバーと「仲良く」なってたりする。おれの基本的に足りてない部分は、リーダーではなく「状況」こそが補正してくれる。


 これを「成長」って書いてしまうと、それはまた違う気がする。おれは別に成長してないし、能力値がすごく上がったわけでもない。ただ、確実に「変わった」。自分が「変わった」かと言えば、でもおれは「変わってない」し、今でも全然空気読めなかったり、やっぱり頭悪いまんまだ。なんか間とか悪いし。



 結局のところ、変わったのは「"弱さ"を、"強さ"で補う」という構造そのものなんじゃないか。そう思った。