それだろ!それを掴み取れよ!
走った。
ストレッチして、走って、筋トレして、ストレッチしてきた。
一昨日の夜に同じメニューを、昨日の夜にストレッチ・走る・ストレッチをしていたので、身体は至極疲れているはず・・・なのだが走らずにはいられなかった。
成長。
あんまり好きな言葉ではないけれど、おれが自分自身について「これは成長だ」と実感出来るとすれば、次の2つだ。
・人に優しく出来るか
・自分を他人へ曝け出せるか
これだけだ。
つまり、たった2つ、これだけのことが出来ていない、ということだ。
冗談が通じない。
他人から距離を置く。
身勝手に相手の裡を想像し、勝手に感情を乱す。
感情に囚われ、冷静な思考を放棄する。
自分と、他人の、特に内面を比較したがる癖がある。
拗ねる。
嫉む。
劣等感の裏返しに優越感を求める。
分からないことに、最初から興味を向けない。
予測出来ない事態に対して脆い。
臆病。
理由つけて諦める。
全部。全部同じこと。
たった2つのことが、あらゆる機会に様々な"異なる現象"という形を取るだけの話だ。
おれに足りていないのは、突き詰めれば上の2つに集約されて、昔から今に至るまで、ずっと変われずに苦しんでる。目を背けようが、他の長所で誤魔化そうが、ありとあらゆる機会にこの2つの欠点が首をもたげ、おれを追い詰めて、壁際で問い詰めてくる。
「お前さ、本当にこのままでいいのか?死ぬまでそれで」と。
よくない。
よくないに決まってる。
死ぬまでこのままだとしたら、今ここで死んだほうがいい。
充分に生きてやったぞと、胸なんか張れやしない。
前置き長くてすんません。
ここからが日記です。
んで、職場の仲間が1人産休に入るので、今日が最終出社日だった。
近隣部署のメンバーでちょっとしたチェックアウトをした。
挨拶と、それから各チームからのプレゼントと。
で、「じゃあ、お前最後締めて」って上司から指名された。
この時点でしにたくなった。お分かりいただけるだろうか。しにたくなったのだ。
人前で何かを言う、というのは本当に苦手で、俗っぽい言い方すると「あがり症」ということになる。
でもさ、その人には本当に世話になったんだ。
仕事的な意味じゃなくて、人間的に。
現時点での業務上の問題点を物怖じせず指摘して、軽いフットワークと爽快なノリで軽々と改善策を提案していく。他のメンバーもつられて、気付いたら伝え合う空気が生まれた。その分変えるための作業はたくさん発生したけど、今ではびっくりするくらい軽くなっている。これはおれには全く真似できない。自分に全く出来ないことを平気の平左で成し遂げる、というのは間近で見るとまるで魔法みたいなんだよ。本当に。
だから、本当に世話になった。
だから、自分の感謝の気持ちをちゃんと伝えようと、ゆっくりだけど言葉を選んでお礼をした。
そして、締まったんだか締まらないんだか、下手で不器用な一本締めなんかをした。
心臓バクバクいってしにそうなわけです。んな大げさな、と思われる方は、「プロのキックボクサーと素人の自分が闘う」、と考えてみるといいです。恐怖です。
んで、まあ不器用なりにいちおうOKだったらしく、なんかお礼言われたりGJ的なコメントとかもらった。たぶん慰め半分もあると思う。でも、まあ良かったなって思ったわけで。
「ちゃんとしなきゃな」って思ったわけ。
「下手でも良いから、堂々としよう」って思ったわけ。
んで仕事からの帰り道、家の近所の住宅街歩いてたら、白い猫がいた。
猫好きだし、ねこ狂いのおれだし、まあ声かけるわけ。
ねこー。ねこじゃないかー。って。
ねこはなんか一軒家の引き戸の前で丸く横になってたんだけど、おれが声かけるとビクッと警戒して逃げる態勢になった。
そこで一瞬、間があった。
(やべえこいつクレイジー)みたいな目で見られて、その後どうするか、ねこ一瞬躊躇してた。
で、おれはもう一度声かけたんだけど、声かける前に、ふっと思ったんだよ。
(おれが身勝手にねこのひとときを邪魔する・・・って優しくないな・・・)と。
だから、
「声かける」
「声かけない」
って選択肢があって、だからおれは前者を自分の意思で「選んだ」。
「声かける」(自分の都合を優先する)
「声かけない」(相手の都合を優先してそっとしといてあげる)
って選択肢で。前者を。
選ぶ時間があったんだよ確実に。
違うだろうよ。
そうじゃねえだろうがよ。
お前の課題はなんなんだよ。人としての課題は。
「他人を思いやることが出来るようになる」
「他人へ自分を曝け出す勇気を身につける」
この2つじゃなかったのかよ。
きちんと判断して選択出来る場面で、
極限状態に追い込まれてるわけでもなく、
ましてやパワーバランス的にいえば弱者のねこに対して、
「自分の都合を優先してしまう」お前は一体何やってんだよ。
そうじゃねえだろうがよ。
そこだろ!
そこで掴み取れよ!
その瞬間を逃すんじゃねえよ!
全力で取りにいけよ!
思いやるんじゃねえのかよ!
いい気になってんじゃねえよバカが。
逃げるねこを見て、おれはバカだなーと思った。
なんかすげえやり切れない気持ちになり、足早に家に帰り着き、着替えて、とにかく走るしかなくて、走って走って、汗かいて、シャワー浴びて、ご飯食べずに自戒の意味を込めて全力で反省文を書く事にした次第なわけです。
ご飯たべます。