Negative Finder

気づいたり、再確認したり、思いついたこと書くスペース。日記兼用。

「正しさ」の外側のルール策定

「正しいこと」は大勢に支持される。だけど、正確に言えばみんながみんな「正しいこと」が大好きで、それ以外は「不正」と厳密に考えているかというと、そうでもない。


顔の見える範囲の生活や仕事の中では、様々な「別に、正しくないこと」が発生している。それは、違法行為や非人道的な行為でなければ、特段問題はなく、その辺にいつだって転がっている。


けれど、これを不特定多数の公衆に表明したり、あるいは組織の中で全体周知する際には事情が変わってくる。それの「正しさ」を主張しないと、中々受け入れてもらえないので、「別に、正しくないこと」を「正しさ」でコーティングしないといけなくなる。これがけっこうしんどい。


「正しさ」のコーティングってのは、内容によって変わるだろうけど、「論理的に破綻していないこと」、「関係者にとっての利益がwin-winとなること」、「法律や倫理、常識を背景に、理を外していないこと」など、色々ある。



今週は電話が忙しかった。今週は、といっても「今週に限って」なんてことはなくて、というか年明けからもうずっと息吐く暇があまり無い。お金を間違った先に払った。お金が間違って振り込まれた。お金を返してくれ。返金予定額と異なる金額の振り込みがあった。お金を払ったけど支払い先間違えて今どこにお金があるのか分からない。期日までに返金出来ない。返すって言ったけどそもそも返す原資がありませんでした。多種多様なイレギュラーな案件が発生すると、自分の部隊へ確認と対応依頼が入る。イレギュラーな事態が起こりまくるから、電話は鳴り続け、息吐く暇が無い。


逆に言えば、関係者すべてが「正しい運用ルール」に則りさえすれば、おれの仕事なんてほとんど最小に収まる。お金を取り扱う会社の管理部門で事務などしていれば、こんな事例はどこだって珍しくないのかもしれない。みんなが「正しいルールで動く」だけで普通のペースで仕事出来るのに、毎瞬毎秒、イレギュラーな事態だらけで困る。


正しい運用ルールのもと、たまにイレギュラーな事態が起こるだけなら、それを予め分類し、取り決めを作ればいい。けれど、自分のいる部隊は「イレギュラーな事態」そのものを日常の糧にしている。別にクレーム対応部署ってわけでもないけど、でもだからメンバーの共通する本音なんてたった一つで、「契約書に取り決めあるんだから、正しい運用ルールで動いてくれよ」ということに尽きる。けれど、電話は鳴り止まない。


そこで「ルール策定」という問題が発生してくる。そもそもの「正しいルール」から外れたイレギュラー案件を処理する部隊で、「正しくないこと」が溢れ返ったその中で、何か「これが正しいよね」というルールを決めないといけない。何を根拠にすればいいだろう。不特定多数の人間の連関の中では「正しいこと」が支持され、その中で「別に、正しくないこと」から糧を抽出する仕事をして、それについて「正しいこと」で飾られたルールを示し、その運用ルールを業務ツールに反映させる。



めんどくさいな…。

written by iHatenaSync