Negative Finder

気づいたり、再確認したり、思いついたこと書くスペース。日記兼用。

3つ、考えたこと

  • タイトルは……思い浮かばないな。 

    今、ふと、思い浮かんだのは「日記書こう」という漠然としたモノで、タバコ吸いながら(出だしは「稽古ってのは何なのだろうか。練習か。それとも訓練なのか。いけない、また空手の稽古にかこつけて文章書こうとしてしまった。 

    「文章」なんてキレイ事をほざいているけれど、その実は99%自己満足の塊だ。何って、特におれの書いたテキストを求めてる人なんて、ほとんどいないような気がするからだ。唯一、おれの書いたテキストが必要なのは、おれ自身で、いつだって(今思い付いたこれを、どこまで展開出来るんだろう)ってことしか考えていないからだ。」かな。よし、これで行こう) 

    ……なんてことを1分半くらい想像していると、タバコの灰を落としそうになっていた。 


    まあ書きたいことは3つくらいあった。 

    上の、思い付きの続きだけれど、おれの「考え」なんて、まあ「考え」とは呼べるようなシロモノではない。いつもそうで、「思い付き」くらいのレベルでしかなく、非常に浅はかだ。ただ、それを文章に落とし込むと、思い付きを何らかの「形」にすることになる。そうすると、嫌でも思い付きを展開しなければならず、思い付きの「その向こう側」を考えざるを得なくなる。 

    文章を書くくらいのことでないと「考え」を示せず、通常の、日常生活を送る上で、おれはいつも自分に甘くて、たいていのコミュニケーションを「思い付き」でやり過ごしている。だもんだから、「デリカシーが無い」とか、「考えたらず」だとか、そういう結果を招きやすい。非常に愚かなことだ。 

    とは言っても、じゃあ「文章に落とし込んだ、思い付きを展開したその考えは、何か役に立ってんの?」って聞かれたら、まあ役立たずだ。無益。害はあまり無いかも知れないけれど、あまりに意味が無い。99%は自己満足で、誰のためでもない、自分のためだけにキーを叩いてる。猥雑な表現すれば、まあオナニーみたいなもんだ。 

    これが1つ。 

     

    2月6日の木曜日、おれは仕事帰りに友人から「これから稽古に行く」とメッセージが来ているのを見て、じゃあおれも行こうかな、と思い立った。一度家に帰ると、たぶん時間が無くなってしまう。空手着やグローブなどを持たずに、そのまま直行してしまうことにした。 

    道場に着いて、おれはジーパンとTシャツ一枚でストレッチをして身体をほぐし、なんとか稽古に加わった。普通の組手練習をしているようだったので、グローブを持ってきていないことが本当に悔やまれた。まあ素手でもいけなくはない。 

    空手着ってのは、柔道着ほどではないけれどそれなりに生地が厚くて重みがある。その感覚に慣れてしまっているのか、それとも単に寒すぎて身体がほぐれていなかったからなのか、ジーパンとTシャツでは中々思うように動かせない。あれだ。衣服のまま泳ぐ訓練する、急泳法みたいなもんだ。いざって時に動けるように、リュック背負ったまま型の練習するとか、紙袋を片手に提げて組手するとか、そういうのって役に立つだろうかと、一瞬だけ思った。後で言われたのだけど、「いつもグローブ持っとくんだよ」って一言が、まあ正解なんだろうと思う。「備えあれば、憂いなし」って、本当はどういう意味なんだろうな。 

    んで、まあ組手以外には足腰の訓練とかした。片足で蹴りの構えになったまま、軸足の回転だけで道場の端から端までを往復、とかわりとキツめの練習。腰・股関節の回転数を上げてハイスピードで反復横跳び、とか。よく知らないけれど、途中からサッカーの練習法みたいなことしてた。 

    ミット打ち30秒連打やって拳を怪我してしまったのだけど、身体に力入りすぎてんだろうね。 
    練習する中で、当日のメニュー指示してたおっさんが、こんなことを言ってた。 

    「顎を引くとね、喉仏の下の、この柔らかい部分の奥にインナーマッスルがあるんだけど、それが鍛えられる。ここを鍛えると、組手や試合中の動きがブレずに真っ直ぐ突けるようになるんだよ」 

    おれはこれを軽く聞き流し、練習でへばっていた友人の体力不足についての話題に気を取られていた。どうやら「長寿遺伝子」みたいなものがあって、けれどこの遺伝子にはON/OFFのスイッチがあるらしい。長寿遺伝子をONにするには、「一定期間、食事を断つ」のが必要だとか。 

    へえ、断食とか絶食とか、効果あるんだなあ。効果のほどは絶大らしくて、とても気になってしまった。昔、「心の鬱屈」が原因で、食事を断った経験がある。けれど、あれは凄く後ろ向きで、そういう「健康法」とは全然別の体験だった。食べ物を食べることに大きな罪悪感を感じて苦しくなり、とてもじゃないけれどものを食べられなかった。あんな悲惨な精神状況ではなく、もっと前向きな気持ちでなら、断食とか絶食とか、試してみるのも面白いかもな。おれはそう思った。 

    その日は気付かなかったし、翌日の朝・日中・夜も全く意識しなかったのだけど、金曜の夜遅くに家に帰って来てから、少しだけ遡って振り返り、稽古仲間のおっさんの言葉を思い出した。 


    -顎を引くとね、喉仏の下の、この柔らかい部分の奥にインナーマッスルがあるんだけど、それが鍛えられる。ここを鍛えると、組手や試合中の動きがブレずに真っ直ぐ突けるようになるんだよ- 


    試しに、顎を引く。少し苦しい。 
    ゆっくり顎を引くのを、10回1セットで、2セットほど繰り返してみる。 
    そうすると、驚くほど姿勢が良くなることに気付いた。 
    重心は踵の上に乗り、肩から力が抜けて、胸がゆったり開く。 
    あれ、おれこの「インナーマッスル」が足りてなかったんじゃね? 

    土曜日も、食器洗ったり、カレー作ったりする合間にちょこちょこ顎を引く訓練を繰り返した。 
    これ凄い。これが凄いというより、おれの元々の姿勢が悪くて、直そう直そうとずっと試行錯誤してるにもかかわらず、「基本的な姿勢」に関して自分が経験的にあまりに無知過ぎることが酷い。あまりに酷いから、その落差ゆえに凄い効果覿面なのだろう。いや凄い。 

    姿勢ってものの、一番のアウトラインは「骨」なんだけど、じゃあその骨を正しい位置に配置する「筋肉」って、具体的には深層筋なんだよね。力こぶ作れたり、胸筋盛り上がってたりしても、幾らでも姿勢は歪んでく。股関節を緩ませたり、骨盤を正しく立てるには、肩甲骨の奥のインナーマッスルが機能しなくてはいけないらしいし。 

    んで、おれ思ったのね。 
    「木曜の稽古で、何が一番重要だったのか」って。 

    稽古ってのは何だろうか。 
    突きや蹴りの技術訓練なんだろうか。 
    基礎体力作りのことだろうか。 
    空手への理解を深めることだろうか。
    喉の奥のインナーマッスルの話じゃないんだけど、稽古仲間との休憩中のコミュニケーションの中に、こんなふうに自分が問題意識として抱えてることの答えが見つかったりする。 

    稽古ってのは、ぶっちゃけ何なんだろうか。 
    「自分が立てた問い」に、「答えを探し続けること」なんじゃないのだろうか。 
    そうだとすれば、空手どうこうってよりも、それは「自分の人生が」って話になるんじゃねえか。 

    身体ってのは、「変幻自在の教材」なんだと思う。 
    これを通して、これを使って、何を考えていくのか。どんな答えを探すのか。 
    こうやって何かを考えられるから、だから面白いんだと思う。 

    これが2つ目だ。 

     

    2月7日の金曜日は、バレーボールに誘われていたので、水・木と空手の稽古続いて疲れていたのだけど、久しぶりなので参加した。仕事終わりに体育館に行くと、どうやらメンバーが少ないらしい。女性3人とおれ1人、という窮状のようである。去年の10月、まだ暑さが残る時期に一度練習に参加して、昨日が二度目の参加だったため、メンバーの名前もうろ覚え、かつ初めて会う人もいたので、緊張する。 

    それでもなんとか身体をほぐし、3人の練習に加わる。 
    前回はさんざんだった。おれはアンダーレシーブは普通に出来るけれど、オーバーハンドのトス・レシーブや、アタックの技術がまるで分からない。前回はたくさんメンバーがいたので試合形式やって、全然ダメダメだったのだけど、幸い今回は人数が少なくて基礎練習みたいだ。 

    おかげで、オーバーハンドの時に気を付けること、アタックの時の腕のポジションなどを少しずつ教わることが出来た。パス回しも大分長く続き、前回の練習よりもかなり動けるようになった気がする。身体がほぐれるに従い、心もほぐれてくる。 

    練習終わりには飲み屋へ。 
    もう去年の怪我みたいな真似は繰り返すまいと、飲み方気をつけようと強く意識して店へ入る。 
    練習に参加していなかった人が何人か飲みだけ来たみたいで……というか、メンズはいないのか。女性3人加わって、実に賑やかしい。また初めて会う人が2人ほど増えて、おれは口数が少なくなった。緊張してしまうね、いけないね、どうにも。 

    その店に来るのも2度目なんだけど、本当に美味しい料理が出てくる。 
    美味い料理を食べ、酒が少し回ってくると、会話に溶け込む心の余裕が出てくる。 
    初対面の2人のうち1人は、練習に参加していた人と双子だと聞かされびっくりする。 
    片方が対面、片方が真横に座っていたので、だから気付かなかったのか。いや、にしても雰囲気がけっこう違う。おれが凄く驚くので、楽しそうに笑ってた。 

    おれは双子と聞いて、双子に聞きたかったことを尋ねてみることにした。 

    「子供の頃とか、互いに入れ替わろう!ってやらなかったんですか?」 

    「高校の時に、本気で悩んだそれ!」と、思いの外、食いつきがあった。 

    姉は普通のOLで、妹は看護師をしてるらしい。 
    あんまりアクセサリーやネイルも弄れないからねぇ、と口にしていた。 
    確かに、看護師の妹さんは、爪が短く切られている。仕事柄そこは清潔感が重要なのだろう。 
    そこでおれは、先日友人と話していた「女性の爪」に着目することにした。 

    その場には6人の女性がいたけど、爪を飾っていたのは1人だけで、「やっぱり手指爪はシンプルな方がいいよなぁ」なんて単純に考えてしまった矢先に、おれの考えは浅はかだなあと、痛感した。 

    女性メンバーの1人と、その日は他にいなかったメンズメンバーの1人が、どうやら結婚したらしい。途中からその話で持ち切りになってた。 

    「普段大人しめなんだから、ここぞとメイクとかしちゃいなよ」 
    「爪も凄く綺麗にしてさ!あー!いいなー!むしろ私がメイク担当したい!」 
    「そうなのかねー、いやー、まいっちゃうねー!」 
    「いやいや、人生で一度切りなんだから、あんたがお姫様なんだからね!?」 

    ……という感じの。 
    年齢は30代前半~後半くらいの集まりなんだけど、まあ、やっぱりガールズトークなんだね。 
    すげえ楽しそう。会話のキレの良さと面白いエピソードに、途中から自分もずっと笑ってた。 


    んでね。おれ思ったわけ。 
    先日、友人と飯食って、そこで「爪は飾らない方が魅力的」論聞いてた。友人の考えるところの、「少なくとも仕事では自重してもらいたい。かなり不快」論。実感としてはすげえ分かる。分かるし、おれもかなり賛成部分が大きい。おれも相当同意していた。……のだけど、このガールズトークに混じった後だと、やっぱりなんというか、その考えは「狭量」っつーか、「器が小せえ」っつーのか、そんなこと言ってたら一生モテないよね?というか。なんか反省した。こういう、幸せなコミュニケーションを否定しちゃ、やっぱダメだろ。


    ……というね。目の前の現実見てモノ言えよ、というかね。 
    考えるのも全く同じで、やっぱりきちんと具体的に想像して、それが出来ないなら経験積んで、経験も無いのならそれについて考えることはやっぱり浅ましいことで……と、これが3つ目なんだけど、これって上の1つ目のところに戻るんだよね。どれもおれが考えてることだから、そりゃリンクしたりループもするんだろうけどさ。 

    おれは思い付きで日々を過ごしているけれど、あまりにも考えなしで、本当はもっと考えなくてはいけなくて、そのためには楽な方向に行かずに、面倒だとは思うかもしれないけど具体的な経験を積まなくてはいけなくて、そうやって直接見て聞いた物事を持って、自分の思い付きを考えに展開していかないといけないよなあ。 


    そんなことを考えることの出来た、この木~土の3日間は、けっこう有意義だったよ。 

    大雪とか、テンションは上がったけど、わりとどうでもいいよ。 
    家のドア開かないから明日どうしようか心配だけどな!